こっちの世界 その2 9


ついに!その時が来た!!
飛騨高山ウルトラマラソン!

待ちに待った大会本番だ!!

朝??というか、深夜1時半すぎごろ起床。
2時半にホテルをチェックアウト。3時半ごろ会場に到着した。

早速準備を整えて・・・ウォームアップをするが。。。

緊張しまくり!!

あまりの緊張に何度もトイレへ
どんだけ動揺してるんだよ俺・・・( ̄▽ ̄)

何とも言えない、レース前の独特の雰囲気。
ここまで来たらもう後には退けない!!

あとは、ただやるのみだ!!

スタート前には飛騨高山市長がやってきて

「一人でも多く帰ってくることを祈っています!!」

と選手を応援してくれた。

 

ああ!必ず、必ずここへ帰ってくる!!

 

 

 

「スタート30秒前!」

 

スンと静まりかえる選手たち

 

「スタート10秒前!」

「9」、「8!」、「え!あ!7?」、「ナ6!」
(カウントダウンミスりやがったww)
「5」、「4」、「3」、

「2」、

「1!」
「スタート!!」
号砲と共に始まった!!
100キロの旅が始まったのだ!

 

スタート直後は予想通り、
全体の動きがトップ選手に引っ張られて早い。
キロ当たり5分~6分位だろうか?

「おちつけ、周りは早すぎる、ここは抑えろ!!」
「思いだせ、いわきのレースを、
前半突っ込みすぎて、後半旧失速しただろ。
失敗を思いだせ!」

と心で呟く。

意識的に速度を抑える。
スタートからの2キロ~3キロ辺りは
周りの選手にバンバン抜かれた。

が、

気にしない。

古い町並みに入る頃もペースは少々早かったように思える。
ようやくペースが落ち着いたのは10キロすぎくらい。

びっくりしたのは
ビーサンで走ってる人を発見!!
び、ビーサンって・・あんた・・・
(;゚Д゚)・・・何もんだよ

いやはや、スゴイ人がいるもんだ・・・

12キロ当たりからだったろうか、ついに坂道が始まる。
ここの辺りからプラン通り、おおよそ20分ごとに
30秒~1分のイターバルをとるようにした。

傍目から見たら、すでにバテたのか?
と思われるかもしれないが、一向にかまわない。

一つ目の峠は無事に超えることが出来た、

そしてプラン通り、
7:45分ごろ、第一関門を突破!!

あまりにも作戦が上手くいくので
かなりの手ごたえがあった。

しかしながら、ここから
スキー場までの長い登りが始まる。
まだまだレースはここからだ!!

ここまでの調子はかなりイイ
もしかしたら
スペシャルドリンクの効果かも?

今回スペシャルドリンクは3本持ち込んだ。
各500mlずつ。

内容はポンジュースに大量のハチミツと塩飴を溶かし、
さらに興奮作用のあるカフェインを入れるためリポDを入れた。

興奮作用のおかげか坂道を上がっていても普段より俄然調子がいい。
30キロを過ぎて若干疲労感がたまり始めたがまだまだ余裕!

一気に第二関門のスキー場までやってきた。

第二関門、通過タイムは9:40分ごろ!!
見事作戦通りのタイムで入った!!

ここから一気に坂を下るのだがテンションが高くなりすぎた。
ダウンヒルをかなり突っ込んで走ってしまう。

下り切った時は、

やばい、脚を使いしすぎたかも・・・

と、ちょっと不安に。

それでも第三関門、ほぼ中間地点の57.2キロに
11:30ごろ到着

第三関門もプラン通り!!
すべての思惑が
ドンぴしゃりとハマり
この時は若干余裕すらあった

脚はそこそこ疲弊していたが、
まだまだ動かせる状態ではあった。

ここでシャツを着替え若干長いインターバルをとる。

周りにはすでに
ダウンした選手が体を横たえていた
無理もない
気温は28℃を超えて
ここまで6時間以上走り続けたのだから

俺自身はホテルのオーナーの助言を守って
前半から水分を大目に取ったおかげか、
暑さはさほど気にならなかった。

さて、ここからが正念場・・・

中間地点を出発すると
右股関節に痛みがはしる。

2~3キロが過ぎると痛みは次第に強くなり。

千光寺手前に入る頃には
脚の疲労に加えて、
股関節の痛みがかなり酷くなっていた

千光寺手前

周りの選手ほぼ全員が歩いている、
でも誰一人止まるものはいない。

ここで脚が止まってしまったら完走は無い。
ミンナ必死ですこしでも前に進もうとしている。

千光寺を突破してもまだまだ先は長い・・・

この辺りからか、脚は今まで以上に重く
それに痛みが強くなり始める。

特にインターバルの直後
走り始めは顔がゆがむほどの痛い

それでも脚を前へ・・・

こんな状態になっても
不思議と力が出るのは
周囲の応援が力をくれるからだ!
「がんばれ!」
その一言が
俺を震えさせる!!

とはいえ、ここからの
70キロ~80キロは、
ホントにしんどかった・・・

ラップタイムが大幅に落ちて、
たった1キロでも恐ろしく長く感じる。

最終関門74.1キロは14:30に通過

プラン通りとはいえ、少々残り時間が気になるところ。
その焦りも加わり、一層残りの距離が長く感じる。

 

80キロを過ぎ、最後の峠の手前
この頃になると

 

残り時間への不安と
ナカナカ姿を現さない
ラスボス峠(最後の峠)に
イライラが募っていた!

 

まだか!!

まだ峠はこないのか!!
まだなのか!!

そんなイライラのおかげか、
ちょっとした坂でもこれがラスボス峠か?
と気が焦る。

一体どこまで続くんだ!!
一体どれだけ長いんだ!!

ここで、心を落ち着かせる。

 

「基本に戻ろう」

 

「基本は何だった?」

 

「腕は、上げ過ぎず
振るときは肩から」

 

「肩甲骨をはがすように」

 

「手首の位置はポケットの辺り」

 

「体は前へ倒すように重力に身を任せる」

 

「股関節は脱力させ、
腹に無駄な力は入れない」

 

「走るというより素早く歩く」

 

基本を必死に繰り返す。

 

最後のラスボス峠を超えた頃には
脚は限界を迎えていた。

ここまで90キロ!
あと少し!!
あと少しじゃないか!!

 

一歩ずつ脚を進める、
一歩ずつ

 

一歩が一キロになる
一歩一キロ!

 

何度この言葉を口にしたことか・・・

 

5キロ手前からついに、距離のカウントダウンが始まる。

このころちょうど18:00すぎ、
制限時間まであと1時間!!

 

何としても!!
何としても!!
ゴールに間に合わせる!!

 

もう無我夢中だった

 

残り1キロ・・・

 

きた!!
ここまで来た!!

 

すると目の前に坂が・・・・
ちょっとまて・・・
(;゚Д゚)・・・・

一体どれほど登らせれば気が済むんだ!!

ふざけんな!!
もう登りなんていいんだよ!!
どこだ!!
ゴールはどこだ!!

最後の最後にこの坂・・・心の中で怒りが

その坂を上ると・・・
目の前に拍手する人々の姿
大勢の人たちが
俺たちランナーを待っていた!!
「おめでとう!!」
(ノД`)・゜・。
帰ってきた・・・
やっと・・・
帰ってきた・・・

ッシアャァァァァァァー!!
思わず叫んだ!!

 

ゴール!ついに!終わった!!

 

完走したのだ!!!
やった!!やった!!

 

自然と笑みが出たのを覚えているが
傍からみたら、
疲れてすぎて頭トンんじゃった人に見えたかもな。

ゴールしてからは、しばらく
100キロを走り切った実感はなかった
休憩や跡片付けで
不思議と淡々としていたと思う

その日は飛騨高山市内のホテルに泊まったのだが

100キロ走ったと実感が出てきたのは
ホテルに入ってからだった。

ジワジワと感情が込み上げてきたのを覚えている。

これが・・・
これが100キロを
走った者だけが味わえる
こっちの世界

そうか、これがこっちの世界か・・・

この感覚は言葉では説明できない
走りきった者だけが味わえる世界

これは。。。すごいな・・・
この世界・・・

 

どんなに地位があっても
どんな大金を払っても
走りきった者でしか味わえない
それが「こっちの世界」

いいね!実にいい!!

こんな世界が味わえるなら
俺は何度でも
100キロのマラソンに挑戦したい!!

どうやら、とうとうこの俺も
こっちの世界に脚を踏み入れてしまったらしい・・・

さてこっちの世界は次は何を見せてくれる!?
ますます楽しみになってきたぜ!!


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