アントンイーゴの名文


映画「レミーのおしいしいレストラン」で
終盤に

料理評論家アントン・イーゴが残すこの名文。
すごい好き!


ということで、ちょっと文字に起こしてみた。

アントン・イーゴの名文

評論家というのは気楽な家業だ。 危険を犯す事も無く、料理人の必死の努力の結晶に、審判を下すだけでいい。 辛口の評論は書くのも読むのも楽しいし、商売になる。 だが、評論家には、苦々しい真実が付きまとう。

たとえ評論家に扱き下ろされ、三流品と呼ばれたとしても、料理自体の方が評論より意味があるのだ。 しかし、時に批評家も冒険する。 その冒険とは、新しい才能を見つけ、守ることだ。 世間は往々にして新しい才能や創造物に冷たい。 新人には味方が必要だ。

昨夜、私は新しいものに巡りあった。 思いもよらない作り手による素晴らしい料理を味わえたのだ。 作品も、その作者も、おいしい料理についての私の先入観を大きく覆した。 これは決して大袈裟な表現ではない。 まさに衝撃だった。

かつて私は「誰にでも料理はできる」というグストーシェフの有名なモットーを嘲笑った。 でも、ようやく、彼の言いたかった事が分かった気がする。 誰もが偉大な芸術家になれるわけではないが、 誰が偉大な芸術家になってもおかしくはない。

グストーのレストランの新しいシェフは、 恵まれた環境で生まれ育ってはいない。 だが、 料理においてフランスで彼の右に出る者はいまい。 近いうちに、また訪ねるとしよう。

今度はもっと、お腹を空かせて。

日本語吹き替えより。

何度読んでも、素敵な文章だなぁ・・・。


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