なんでアトムが強かったか?


映画リアル・スティール
ロボットがボクシングで戦うという内容の映画

主人公が使うのは
ゴミ捨て場から拾った、時代遅れのポンコツロボット アトム
それが世界No1ロボットと戦い勝利寸前までいくのだが

なぜ?アトムは強かったのか?
クソ真面目に考えてみた

その1、軽さと速さ

他のロボットが、重さや機械的機構、機能に強さ求めていた事に対して
おそらく、スパーリング用だったアトムは、安価で単純
だからこそ、余分なものがなく、軽い、
その分速さがある。
速さはそのまま回避性能にもつながる。
劇中でも、大型ロボットの攻撃をスイスイよける!と出てくるくらいだ
最終的にはチャンピオン、ゼウスの攻撃もかわしていた
しかもゼウス戦最終ラウンドでは、音声認識機能を外すことで
加速はさらに増していた
速さはアトムの最大の特徴ともいっていいのかもしれない

そして軽さが、あの異様なタフネスを生み出している
相手の攻撃に耐えるのではなく
攻撃そのものを、その軽いボディ全体で受け流す
ゼウスがアトムを軽く投げ飛ばすところを見ていると
相当な軽量設計なのだろう

その2、単純さ

先にも上げたように、アトムは単純にできている
ゆえに異様に打たれずよい、
それは、父チャーリーも認めている
元もスパーリング用だったので、そもそも本格的な大型ロボットのような
装備がいらない
その分、単純で先にも上げたように軽い
だが、それだけじゃない
システム自体が単純だからこそ、壊れる個所も少ない
ツインシティーズと戦った際に、ツインシティーズは複雑なシステムのクラッシュが
あだとなって負けた

子供でも改造できるほどの単純さ
これもアトムの最大の武器になったのだ

ゼウスはシステム自体はよくできているのかもしれないが
その複雑なシステム、パワーで消費エネルギーが増大する
アトムに対し連打を続けた結果、あの最後のエネルギー切れにつながったのだ
対してアトムは単純な分、エネルギー消費がすくない
だからこそ、5ラウンドもの長い戦いに耐えることができたのだ。

その3、人間的要素

マックスが、音声認識システムと模倣モードを使用することで
アトム自身が戦いを学び、指示を聞くロボットに変わったこと、
ここに人間的要素がある。
つまり、ほかの大半の操縦型ロボットに対して、
アトムには戦術的に戦い、セコンドの操作ではなく、指示に従うという
それまで例のないスタイルだった。
もしかしたら、ゼウス(タク・マシド)も予想外だったのかもしれない

アトムには重さがない分、攻撃力に欠ける
が、軽い分の加速性能がある
強いパンチとは、重さで決まるものではなく
重さを生かす加速が重要だ

人間的な戦闘スタイルのアトムは
チャーリーがボクシングを教えたことで
脚をつかい、腰をきる、ボクシングパンチによって
軽くても強いパンチが打てるという利点もあった

とわいえ
それでも、ほかのロボットに比べたら並みの攻撃力だったに違いないが
だが
タフネス、単純さ、戦い方、が攻撃力不足を補った
まさに人間そのもののような戦い方だったという事になる。
これは、劇中「人間的な戦い方」というセリフを聞けばわかる

アトムはボクサーだ
それに対して、ほかのロボットはプロレスに近い
強力な一撃で、相手を砕く、これはゼウスも同じだった
いわゆる必殺技がどのロボットにあるが
ぎゃくに、戦術が単純だったに違いない
故にアトムのスタイルに翻弄されたのだ

重く遅いプロレスのようなたたき方では
アトムを完全にとらえきることは出来なかったに違いない

加えて言えば、アトムにも得意というべき、必殺技があった

マックスが子供っぽい発想で生み出した蛙飛びアッパーカットは
父チャーリーが、懐から思い切り振りぬく必殺の右アッパーへと変わっていた
ほとんどの試合で、アトムが有利に立つ瞬間はこのアッパーが決まった時だ

その4、経験

ゼウスの弱点は無いように思われる
どの試合も1ラウンド開始直後のKO勝利だったに違いない
これが大きな弱点になる

タク・マシドは言っている、どんな状況でも瞬時にファイトコードを書き換え
相手を破壊すると
だた、相手を瞬殺しすぎていて
肝心の戦闘経験がない
経験がない分、本格的なボクシングスタイル
しかも経験豊富な本物のボクサーの動きは
ファイトコードがどうこうという問題ではなく
そもそも、タク・マシド自身のボクシング経験に依存する

素人が本物のボクサーにかてるか?
そういうことだ

いかにマシンが優れていても
扱う人間がボクシングを知らければ戦えない
この経験の少なさがあだとなったのだ

おそらく、アトムのような
ボクシングスタイルと何度も戦闘経験を重ねていれば
ゼウスの圧勝におわったのかもしれない

逆にアトムは、ストリートファイトのような場所から這い上がった
言わばたたき上げだ
経験でいえば、もしかしたら圧倒的にゼウスより上だったのかもしれない経験があったからこそアトムもチャーリーたちも
総合的にみて、ゼウスの上をいっていたに違いない

 

では、

なぜあの判定結果なの?

ボクシングの試合において
判定の基準は以下のような部分がある
試合をいかに支配していたか?

アトムは、確かにKOはされなかったが
リングを支配していたか?と指摘されると
そうは言い難い

ここにゼウスが何とか判定勝利を収めた点がある

常に、アトムをリング隅においやっていたゼウス
試合を支配していると言っても過言ではない

一人だけジャッジで、アトムに票を入れていたが
おそらく、ボクシング戦術的に
相手よりも試合をコントロールしていたという点を評価したのだろう

だが、あえて言うならば
あの試合結果は妥当と言わざる得ない
何度も言うが、アトム、ダウン4回にたいしてゼウス、ダウン1回
ゼウスが圧倒的に相手を押し込んでいたのは、まぎれもない事実だ

アトムが勝つには、あの最後の詰めで
ゼウスを仕留めるしかなかったということになる

悔しいが、アトムには時間が足りなかったということだ

 

あの試合後、リアルスティールールはどうなっていったか?
アトムとマックス、チャーリーはTVに引っ張りだこだったに違いない

ロボットファイトの世界には
人間が自らの動きで戦うという新たな要素が加わり
アトムと同じような、人間的な戦いをするロボットが増えたに違いない
そして、人間のボクシングという点が再び見直され
もしかしたら人間の試合の人気も復活したのかもね

 

父と子の絆がテーマの本作はよくよく見ていると
実に巧妙に作られている点がいくつもあって
なかなか楽しい作品になっている
是非とも親子で見てほしい一本だ

 

ちなみに、アトムという名前は
鉄腕アトムからだろうか?
少し日本の要素が入っているところをみると
監督がすきだったんじゃないかな?

ただ、アジアのロボットデザイナーの名前が
タク・マシドというのはどうかなw
せめて、タクマ・シドウとかにしてほしかった

あと、ノイジーボーイの体に書かれていた日本語も
超悪男子じゃなくって、極悪小僧とかのほうがいいなぁ
男子ってw

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