神社最古の建築についてのメモ


神社最古の建築は
一体どこの神社なんだろう?

簡単に調べてみた結果をメモしておく

この話が意外に色々と面白い

まず”最古をどう定義するか”で
最古の神社が変わる事が分かった

最古の定義その1
建築物としての最古

これは、実際に昔からの建物が
今でも残っているという意味での最古の神社は

宇治上神社
1060年の建立だそうだ

検索画像を観る限りでは
確かに平安時代に見るような
屋根の厚みがやや低く、
両方の屋根の端が跳ねている(隅伸び)
形を観る限りでは年代は平安時代あたり。

恐らくその当時の最新様式ではなく、
それよりもやや古い時代の様式を取り入れたのでは?
これを見て唐招提寺の屋根の復元図を思い出した。

最古の定義その2
建立年代が最古の神社

建立年代(縁起)が最も古い神社という意味では

大神神社が
最も時代をさかのぼるようだ

建立年代は不明、御祭神は三輪山そのもので大物主神
(初代神武天皇の皇后の父親)になる。
という事は、大物主神が登場する大国主神の時代
つまりは紀元前からこの山が祭られてきたことが分かる

長野の諏訪神社も
山自体をご神体としているそうだ。

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諏訪大社にて(2014年)

古事記などの年代記によれば
大国主神が国造りをする際にお祭りになったのが
三輪山の大物主神としているところから
奈良の大神神社が最古という事になるのだろう

島根の出雲大社は、
古事記に登場する国造りの後の国譲りが建立縁起と思われるので、
最古”クラス”ではあるが大神神社よりもわずかに最古ではないようだ。

DSC02460

出雲大社にて(2014年)

他にも、熊野大社なども候補に挙がるようだ。
御祭神が伊邪那伎日真名子と(伊邪那岐のひまごと)している事が根拠かと思われる。

この定義においての最古は、
なかなか判断しにくい分野であるが、
少なくとも古事記に登場したり、古事記とかかわりがある神社が
建立年代も古いという事になるだろう。

ちなみに建築様式的には、
改築、改修、再築などで最新の時代の建築に変わっているため
建立当時の様式ではない。
出雲大社の建物自体は1744年に建てられたものだそうだ。

最古の定義その3
様式が最古の神社

これについては、神事の方の意見などもありそうなので
まだまだ探ってみたいところではあるが、
厳格に当時の様式を守り抜いているのは、

伊勢神宮

ではないかと考えている。

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外宮の鳥居(2014)

根拠は、建築様式自体が、厳格に神明造りである点
持統天皇時代(690年)からの式年遷宮が始まって以来、
古代からの様式を、”そのままコピー”するという点では
大神神社の建築様式よりももっと古い、古代の神社の姿を今に伝えていると考える。

実際に、伊勢神宮参拝を体感すれば
その神社様式の異例ぶりに驚く。

仏教からの伝来ものである、狛犬 は伊勢神宮では一切置かれていない。つまり神道独自の設計思想がそこにはあると思われる。
実際に建築様式自体が、ほかの神社とは明らかに異なり
装飾の少なさやシンプルさは
普段、自分の街にある神社に慣れ親しんでいると
別宗教の世界に来たのかと錯覚するくらいだ。

最古候補のマトメ

最古は定義によっても変わるってことが分かった。
改めて定義別の最古を列挙すると・・・。

1、宇治上神社、2、大神神社、3、伊勢神宮

最古に関しては、おそらく議論しても答えのない問題であろうと思う。
だから何が最古かは自分が”信じたものが最古”という事になるんだろう。

考古学の新発見があれば、もしかしかたら覆るのかもしれない・・・・

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